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100万円払ってこの賭けをやろうと思うでしょうか。
絶対にそうではないでしょう。
要するに、数学的に計算された期待値で人は判断していないということなのです。
それが現実なのです。
これは250年以上も前の1738年に、数学者のDによって指摘されており、「サンクトペテルブルグのパラドックス」と呼ばれています。
似たような例で人間の判断の不確かさを確認しておきたいと思います。
コインを7回投げるとします。
「表‐表‐裏-表‐裏-裏-表」という順と「裏-裏-裏-裏-裏-裏-表」という順のどちらが実現しやすいでしょうか。
どうでしょう、直感的には前者と答えたくなりませんか。
ところが、確率的にはどちらも同じです。
あるいは、「裏‐裏-裏‐裏-裏‐裏」と続いた場合には、次は「表」に賭けたくなる気持ちになりませんか。
ところが、これも確率的にはどちらも同じなんです。
これは、「賭博者の錯誤」として知られている人間心理に根付いている強いバイアスです。
じつのところ、わたしたちは数学や確率論で判断などしていないのです。
数学的な平均値で考えれば、宝くじは確実に損するものに決まっています。
でも、宝くじビジネスは古今東西、普遍的に成功を収めています。
ドリームジャンボの売れ行きを見てください。
江戸時代の富くじだって大人気だったのです。
それを見ると、「3億円当たるかもしれない」という夢に対して、人たちが数学的にははじき出せない期待を抱いていることがわかるでしょう。
株式売買に対しても、数学的な期待値では説明できないパフォーマンスを夢見て投資しているのです。
わたしたちは数学では考えられない判断をしてしまうのです。
わたしもそうですし、あなたもきっとそうなのです。
『株でウン億円もうける方法』などという本を読んで、あるはずもない幸運を願ってしまう、か弱い存在なのです。
そういう意味でわたしたちは、「投資」よりも「投機」へと、「投機」よりも「賭博」へと走ってしまいやすい性質をもっています。
だからこそ十2分に気をつけなければなりません。
資産運用に関しては、細心の注意を払って、「投機」や「賭博」という世界から隔絶し、「投資」に専念しなければならないのです。
先ほど、わたしたちは数学的には考えられない判断をしてしまうということを指摘しましたが、そのことを確認するため、期待値に対するクイズを出しましょう。
株の銘柄が3つあり、上がる株は1つだけだとします。
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